FBAはAmazonが運営する物流サービス

「Fulfillment by Amazon(FBA)」はAmazonが運営している物流サービスです。

EC事業者が商品をAmazonの配送センターに納品した後には、残りの作業はすべてAmazonが担います。在庫保管から注文処理、配送に関する顧客対応、さらには返品処理に至るまでを、Amazonが代行します。

「Prime」で同じみの迅速な配送を提供することはもちろん、Amazonの世界的なネットワークを利用して国際販売を拡大することも可能です。

日本の非常に広い地域に倉庫ネットワークを築いていることが特徴で、以下のフルフィルメントセンターを擁しています。

  • 上尾(埼玉県)
  • 坂戸(埼玉県)
  • 川口(埼玉県)
  • 久喜(埼玉県)
  • 川越(埼玉県)
  • 川島(埼玉県)
  • 八千代(千葉県)
  • 市川(千葉県)
  • 流山(千葉県)
  • 府中(東京都)
  • 青梅(東京都)
  • 川崎(神奈川県)
  • 小田原(神奈川県)
  • 多治見(岐阜県)
  • 京田辺(京都府)
  • 茨木(大阪府)
  • 大東(大阪府)
  • 堺(大阪府)
  • 藤井寺(大阪府)
  • 鳥栖(佐賀県)

メリット

FBAを利用するメリットは以下の通りです。

  • 在庫管理の手間削減
  • 配送プロセスの自動化
  • 配送に関するカスタマーサービスの外注化
  • 迅速な配送を通じた顧客満足度の向上
  • Amazonプライム対象となること
  • 楽天市場やYahoo!ショッピングといった他ECの注文にも対応できること

大部分の物流業務の外注化が可能

FBAに納品をしておけば、その後の出荷関連業務はFBAが担います。

商品の保管や、ピッキング、出荷作業と、配送に関するカスタマーサポートはFBAが担うだけでなく、Amazonで発生した注文は自動でFBAに連携されます。

Primeマークの対象に

数あるメリットの中で、最も大きいのが「Primeマークの対象になること」です。

Primeマークは、Amazonが設ける配送品質を満たした商品にのみ付与されるマークで、利用者に対して信頼性を訴求できるほか、モール内の商品SEOにも好影響を与えるため、売上アップを目指すためには必ず狙いたい認証です。

FBAを利用することで、Primeマークは必ず付与されます。

※FBAを利用しない場合のPrimeマーク認定条件はこちらの記事でまとめていますhttps://www.shippinno.net/netshop-blog/amazon/marketplace-prime/

楽天市場やYahoo!ショッピングといった他ECの注文にも対応

FBAはAmazonの注文だけでなく、楽天市場やYahoo!ショッピング、Shopifyといった他のECモールやカートの注文も出荷の対応が可能です。

Amazonの注文は自動的にFBAに連携されるのに対して、他のECモール・カートの注文情報はCSVや管理画面から手動で処理する必要がありますが、シッピーノをはじめとした外部ツールを利用することで、自動化が可能です。

他ECの注文もFBAから出荷できることで、「AmazonでのEC運営が軌道に乗ったので、他の販路も試したい」「Amazonをメインに少ない工数で複数販路を持ちたい」といった要望を、気軽に叶えることができます。

利用条件

FBAを利用するには、セラー・ベンダーを問わず、Amazonに出店し、商品を販売している必要があります。

これは当然のように見えますが、なかには「Amazonの物流網を使って楽天やYahoo!に出店したいが、Amazonでは販売を行いたくない」というECストアも稀にいます。残念ながら、FBAを利用するにはAmazonへの出店と販売がマストです。

また、FBAには対応NGの商品があります。

  • 冷凍・冷蔵が必要な商品(常温管理ができない商品)
  • 使用期限の管理が必要な商品
  • 動植物
  • 危険物(爆発物・火薬類、ガス類、引火性物質、酸化性物質、毒物類、放射性物質、腐食性物質など)
  • 医療機器(家庭用医療機器、一般医療機器を除く)
  • 医薬品
  • 酒類
  • 金券、プリペイドカード、切手など
  • 強力磁石
  • ゴールド、プラチナなどの貴金属バー
  • 金貨、銀貨、銅貨、コイン、古銭、古札

これらの商品は、Amazonに出品することはできますが、FBAへの納品ができません。また、FBA以外でも、対応可能な倉庫が限られるジャンルになります。

利用の流れ

Fulfillment by Amazon (FBA) の利用の流れは、以下の5ステップに分けられます。

  1. アカウントの設定: まず、Amazonセラーセントラルにアカウントを作成し、FBAサービスに登録します。
  2. 商品リストの作成: 販売する商品のリストを作成して、Amazonのカタログに追加します。各商品の詳細情報、価格、画像などを入力します。
  3. 商品の準備: FBAの納品ルールに従って商品を準備します。
  4. 納品プランの設定:商品数、ラベル添付担当者、輸送箱サイズ、輸送箱の従量などの情報を「納品プラン」として登録する。
  5. 商品の送付: 準備した商品をAmazonの指定するフルフィルメントセンターへと発送します。配送スケジュールを決定し、商品を安全にセンターまで運ぶための手配をします。

料金体系

FBAの利用で発生する費用は、以下の要素からなります。必ず発生する費用には★マークを付けています。

  • 在庫保管手数料(★)
  • 配送代行手数料(★)
  • 長期在庫保管手数料
  • 納品不備受領作業手数料
  • 返送/所有権の放棄手数料
  • 購入者返品手数料

在庫保管手数料

「服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリー」とそれ以外で異なるテーブルが設けられています。

2023年11月時点の在庫保管手数料

配送代行手数料

通常の3PLでは「ピッキング料・梱包料・配送料」を分けた料金表を設ける場合もありますが、FBAの場合は、これらに「カスタマーサービス」や「返品対応」の料金までも含めた「配送代行手数料」を設けています。

2023年11月時点の配送代行手数料

また、配送代行手数料は、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのAmazon以外のECに対応する「マルチチャネルサービス」利用においては、別の料金テーブルが設けられています。

その他の費用

在庫保管手数料と配送代行手数料はFBAを利用する場合に必ず発生する費用です。

一方で、それ以外の費用は、利用状況に応じて発生する可能性がある費用です。

  • 長期在庫保管手数料
    • 365日を超えてフルフィルメントセンターに保管される商品に発生する費用
  • 納品不備受領作業手数料
    • ラベル貼付漏れなど、適切な状態で商品が納品されず、Amazonが想定外の作業を行った場合に発生する費用
  • 返送/所有権の放棄手数料
    • 納品済みの商品を返送/廃棄する場合に発生する費用
  • 購入者返品手数料
    • 購入者の返品時の送料を無料にする場合に発生する費用

これらの詳細な費用については、出店後にフルフィルメント by Amazon料金シミュレーターを使って見積もることができます。

https://sellercentral.amazon.co.jp/fba/revenuecalculator/index

FBAをフル活用する方法

FBAを利用することで、Amazonの非常に優れた物流ネットワークを利用してEC運営を行うことができます。しかも、すでに紹介している通り、楽天市場やYahoo!ショッピングといった他ECの注文にも対応することができ、これを「FBAマルチチャネルサービス」と呼びます。

FBAマルチチャネルサービスの特徴

Amazonの優れた物流ネットワークを利用できるという点のほかに、FBAマルチチャネルサービスを利用するメリットは、以下の2点を挙げることができます。

  • 在庫の一元化が可能
    • 販路ごとに物流サービスを用意する必要がなく、在庫をFBAに集約できる
  • 販路拡大が楽になる
    • FBAを使ったまま楽天やYahoo!ショッピングに出店することができるため、最小の工数で新しい販路にトライできます

FBAマルチチャネルサービスを利用することで、AmaoznをEC運営の中心に据えながら、新しい販路へのチャレンジも少ない工数で取り組むことができます。

しかし、Amazon以外の販路で発生した注文データは、CSVやセラーセントラルの管理画面を用いて、手動でFBAに出荷依頼を行う必要があります。

一見すると地味な作業に見えますが、注文件数が増えるにしたがって対応の手間も増大するほか、ヒューマンエラーにもつながりやすいです。しかも、昨今においては、ECモール側から出荷スピードの向上を求める動きもあり、出荷依頼も注文が発生してから早く実行する必要があります。

そのため、FBAマルチチャネルサービスをフルに活用するためには、シッピーノのような連携アプリを利用することがおすすめです。

シッピーノの併用で受注から自動化も可能

FBAマルチチャネルサービスは、アマゾン以外の販売チャネルでの、出荷指示以降の作業を効率化するサービスですが、シッピーノでは、このFBAマルチチャネルと連携することで、受注~出荷までを自動化することができます。

出荷作業に次いで、受注作業も手間と時間のかかる業務ですので、受注から自動化することで、少人数でも余裕のあるEC運営が可能になります。

受注・出荷業務の自動化について詳しく知りたい方は、下記リンクの「お問い合わせ」にてお気軽にご相談ください。

国内800以上の物流サービスと連携しているEC自動出荷「シッピーノ」

「ECのミカタ」でも紹介いただきました。

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