Amazonを含む多店舗展開を行う多くのEC事業者にとって、在庫の一元管理や物流品質の維持に欠かせない物流サービスであった、Amazonが提供するマルチチャネルサービスが、2019年5月15日、手数料の改訂を発表しました。

改定の適用は2019年7月16日の出荷分から。配送代行手数料がすべて値上げとなります。Amazonは2019年2月、FBAの手数料を改定しましたが、このときの値上げよりも今回の改訂による値上げ幅はかなり大きくなっています。

マルチチャネルサービスを利用しているEC事業者は、現在の出荷状況でどの程度コストが増大するのかを試算したうえで、他の物流サービスへの移行も一度検討したほうが良いでしょう。

本記事では、今回の改訂についてわかりやすくポイントと比較表にまとめ、解説したうえで、ECサイトの展開状況ごとの対策も紹介します。

※本記事は、FBAマルチチャネルサービスの解約を推奨するものではありません。
値上げ後でも他の物流サービスと比較し競争力がある価格(※当社調べ)ですので、あくまで検討の材料としてご覧ください。

改定のポイント

・2019年7月16日の出荷分から改定後の手数料適用
・配送代行手数料がすべて値上げ(出荷作業手数料はそのまま)
・メディア/メディア以外の区分撤廃
・寸法による区分が細かくなり、標準は4つの新区分、大型商品は4区分から8区分へ
・商品重量による制限が加わる

マルチチャネルサービス手数料改定比較表

■改定前(2019年7月15日出荷分まで)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【小型/標準】

■改定後(2019年7月16日出荷分から)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【小型/標準】

メディア、サイズの大きい商品は特に打撃大

今回の改訂により、メディアとメディア以外の区分がなくなります。メディア商品は従来安い手数料で出荷が可能だったため、特に値上げ幅が大きくなります。

また、標準サイズの商品は、新たに寸法によって4つの区分にわけられます。特に、ぎりぎり大型商品に入らないサイズの商品は、値上げ幅が大きくなります。

商品重量による制限も加わったので注意が必要です。

■改定前(2019年7月15日出荷分まで)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【大型商品】

■改定後(2019年7月16日出荷分から)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【大型商品】

大型商品により細かなサイズ区分を適用

今回の改訂により、大型商品のサイズによる区分が、従来の4区分から8区分へとさらに細かくなり、サイズに応じてより厳密に手数料が発生するようになります。特に、サイズ上限ぎりぎりで手数料を抑えていた場合、値上げ幅が大きくなってしまいます。

また、小型・標準と同様に商品重量による制限も加わりました。大型商品は重量が大きくなりやすいため、より注意が必要です。

まとめ購入でも同梱による値引きがない

改定前のマルチチャネルサービス手数料は、複数商品を購入した場合に「個数あたりの出荷手数料」と「出荷あたりの発送手数料」が必要となっていました。

改定後では、複数商品を購入した場合に1個あたりの出荷手数料が必要になってきます。
例えば、小型商品の注文が2個あった場合には下記の手数料が必要になります。

改定前:(135円×2個)+289円=559円 ※メディア以外、1個口の場合

改定後:550円×2個=1,100円

まとめ購入されても同梱による値引きがきかないため、これはかなりのデメリットになります。

Amazonへの囲い込みが目的?

今回の改訂には、昨今の物流問題が無関係ではないでしょう。配送各社が料金を値上げし、人員確保のためのコストも大きくなっているなかで、今まで通りの安価で高品質なサービスを維持するのが難しい状況にあることは推察できます。

また、今回の値上げ幅の大きさには、出店者に、Amazonでの販売に注力してもらいたいという意図も感じられます。Amazonでは、最近、販売者のブランディングに注力する動きがあり、他モールとの差別化を強めているように思われます。

多くのEC事業者にとって、Amazonが重要な市場であることはもちろんですが、多店舗展開によって幅広い層の顧客を獲得することや、自社サイト運営により優良顧客の育成や価格競争に陥らない独自性を出すなど、ゆずれない部分もあります。

マルチチャネルサービスを活用して多店舗展開を進めてきたEC事業者の方は、何らかの対策を取る必要に迫られています。

【参考】
FBA手数料も遂に値上げ?2019年2月改定のポイントと新料金計算方法

改定への対策ポイント

ポイントとしては、Amazon出店がメインの事業者の場合は大きな影響はないものの、多店舗展開でマルチチャネルサービスによる在庫一元管理を行っていた事業者は、出店モールや独自ドメインのプラットフォームによる物流サービス使い分けの検討が必要になってきます。

今回の手数料改定では、とにかく値上げ幅が大きいため、マルチチャネルサービスを利用しているEC事業者は例外なく、コストがどのくらい増えるのかの試算はもちろん、より安く利用できる物流サービスを一度検討してみることをおすすめします。

多店舗展開の場合、ひとつの物流サービスで在庫を一元管理できるのが理想ですが、今回の値上げをうけて、出店先のモールや独自ドメインのプラットフォームに応じて、最適なサービスを使い分けることも視野に入れる必要が出てきました。

シッピーノ株式会社が提供しているECの出荷業務を完全自動化する「シッピーノ」は様々な物流倉庫会社様との連携が可能です。今回のマルチチャネルサービス手数料改定に伴う対策として、以下の内容を提案させていただいておりますので、ぜひご覧ください。

楽天市場に出店している場合

まず、楽天スーパーロジスティクス(以下、RSL)を検討することをおすすめします。RSLは、比較的安価な料金体系となっており、AmazonとFBAのように、楽天市場とRSL間の受注を自動で出荷可能です。

Amazonと楽天市場に出店している場合、FBAとRSLに在庫が分散してしまうデメリットはありますが、その部分をカバーするサービスが今後リリースされる予定です。RSLからYahoo!ショッピングの受注も自動で出荷できる連携も予定されています。

Yahoo!ショッピングに出店している場合

まず、物流倉庫会社運営のクラウド物流サービス「LogiMo Pro(ロジモプロ)」を検討することをおすすめします。LogiMo Proでは、月間の出荷数量を問わず1個あたりの料金で発送が依頼できる、FBAに近い料金体系のサービスです。

※現在、申込が殺到しており1ヶ月ほどお待ちいただく状況のようです。

ネクストエンジンを利用している場合

RSLやその他の物流倉庫をご検討ください。ネクストエンジン利用中の方に向けて、在庫分散対策と販売機会最大化を行う、以下のサービスを開発中です。

①FBAの在庫切れ時でも販売を継続し、楽天スーパーロジから自動出荷
②NE上の在庫が切れた場合、FBAから自動出荷

広く物流倉庫を検討したい

シッピーノでは、FBAマルチチャネルサービス以外にも以下の物流サービスと連携しており、さまざまな物流サービスのご紹介が可能です。

・ロジザードZERO対応倉庫
・LogiMo Pro(ロジモプロ)
・その他国内倉庫(CSVで出荷指示を行うすべての倉庫)

サイズによってかなり安価に発送できる物流倉庫や、メール便やギフトラッピングに対応可能な倉庫、また出荷件数によっては複数の3PLの紹介が可能です。自社で取り扱う商品によって、コスト削減可能な物流倉庫やツールの変更を検討してみるのが良いでしょう。

シッピーノ資料DL