Amazonを含む多店舗展開を行う多くのEC事業者にとって、在庫の一元管理や物流品質の維持に欠かせない物流サービスであった、Amazonが提供するマルチチャネルサービスが、2021年8月30日より手数料の改定を行いました。

2019年の改定が値上げだったのに対して、2021年の価格改定は、一部の送料の値下げや、追加ピッキング(複数購入時の同梱分)に関しては値下げを行うなど、日本国内の他物流サービスの価格に対する調整を行った印象を受けます。

本記事では、今回の改訂についてわかりやすくポイントと比較表にまとめ、解説したうえで、ECサイトの展開状況ごとの対策も紹介します。

改定のポイント

・2021年8月30日の出荷分から改定後の手数料適用
・配送代行手数料が一部で値下げ
・追加ピッキング(複数購入時の同梱分)の費用が値下げ

小型・標準サイズでは一部値下げ

■改定前(2021年8月29日まで)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【小型/標準】

■改定後(2021年8月30日から)のマルチチャネルサービス配送代行手数料

サイズの大きい商品は値上げ

■改定前(2021年8月29日出荷分まで)のマルチチャネルサービス配送代行手数料
【大型商品】

■改定後(2021年8月30日出荷分から)のマルチチャネルサービス配送代行手数料

まとめ購入での同梱の値引きを開始

改定前のFBAでは複数個の商品を同梱する際でも、送料の値引きを行っておりませんでした。今回の改定で特大型サイズ以外で値引きに対応し、その分のコストが安くなっています。

他サービスに対する調整が狙い?

前回の価格改訂では値上げが目立ったのに対し、今回の価格改訂では標準以下のサイズを中心に値下げが目立っています。

楽天市場やYahoo!ショッピングがそれぞれ独自の物流サービスを展開しており、それぞれ競争力のある送料を打ち出していることに対応して、ある種の調整を行う意図があったのではないかと考えております。

改定への対策ポイント

前回の改訂で他の物流サービスに乗り換えた方にとっては、もう一度FBAの利用を検討しても良いかもしれません。

依然として他モールの注文に対しては、楽天スーパーロジスティクスやヤマトフルフィルメントが提供する価格には魅力があるものの、Amazonの売上が中心である事業者にとっては納品の手間や在庫分散による機会損失は見逃せません。加えて、モール型フルフィルメントとしての実績は最も長く、(セールの時期を除けば)他のサービスよりも品質が安定しているという点はよく挙げられるメリットです。

また、FBAの料金には配送関連のCS業務も含まれているという大きな違いがあります。

一方で、今回の改訂でも、メール便の対応は含まれていませんでした。

メール便で送付ができるサイズの商品においてはFBAとはかなり大きな価格差になってきますので、ロジモプロやヤマトフルフィルメント(近日中にシッピーノも対応予定)との連携を検討する余地があります。

シッピーノについて

シッピーノでは、FBAマルチチャネルサービス以外にも以下の物流サービスと連携しており、さまざまな物流サービスのご紹介が可能です。

サイズによってかなり安価に発送できる物流倉庫や、メール便やギフトラッピングに対応可能な倉庫、また出荷件数によっては複数の3PLの紹介が可能です。自社で取り扱う商品によって、コスト削減可能な物流倉庫やツールの変更を検討してみるのが良いでしょう。

シッピーノ資料DL