EC店舗を持ちたいという時、Amazonや楽天、Yahoo! ショッピングなどのECモールは、集客やECサイト構築、業務の効率化などの点で助けとなり、便利です。
一方で、自社のファンを作りたい、ブランドを育てたいという時は、独自ドメインの自社サイトに強さがあります。モールは、サイトのデザインがどうしても限られてしまいますし、顧客は店舗ではなくモール自体に付く傾向にあります。
また、最近では、ブランディングや顧客とのコミュニケーション、商品のプロモーションなどさまざまな場面でSNSを活用することが多くなっています。そういった外部サービスとの連携は、自社サイトの方が向いています。
自社サイトを作る場合、ASPやECパッケージを利用することになります。国内で名前をよく耳にする主流のサービスがいくつかありますが、国内ではそれ程知名度が高くないものの、世界最大級のシェアを誇るASPのサービスが「Shopify(ショッピファイ)」です。
Shopifyは、世界175ヵ国・60万のECショップ作成に利用されている世界No.1のECプラットフォームです。スタータップや中小規模の事業者から、バドワイザーやネスレ、P&G、レッドブルなど世界的な大企業のサイトでも利用されています。
これまで日本で知名度が高くなかったのは、日本語対応に不便さがあったからですが、この1~2年程で日本語でも問題なく利用できるようになりました。また、日本でのShopifyでのECサイト構築・運営を代行・支援してくれる、パートナー企業も増えつつあります。今後、日本でも利用が増えると予想できます。
そこで本記事では、Shopifyの特徴や利用するメリット、どういう風に使えるか、またどういったECサイトで使われているかの事例などを紹介します。Shopifyを知らなかったという方にはこれを機に知っていただきたいですし、すでに知っている、利用を検討しているという方にも参考になる情報かと思います。
こちらのホワイトペーパーにもshopifyのポイントをまとめておりますので、ぜひご覧ください。
【ホワイトペーパー】ECサイトを作るなら「Shopify」特徴をわかりやすく解説
Shopifyの特徴・メリット

ECサイト開設にあたって、Shopifyはそのデザイン性の高さが評価されています。プロが作成したストアのテンプレートを利用できるので、簡単に完成度の高いデザインのECサイトを作ることができます。テンプレートは、無料の10種類を含む100種類以上から選べます。
Shopifyには、ECサイト開設から運営まで、バックオフィス業務も含めて必要な機能が揃っています。ECサイトを運営していく中で必要な機能をアプリにより適宜追加していく形で、カスタマイズ性が高いのも特徴です。そのため、スモールスタートができ、かつ、事業の規模が大きくなっても対応可能です。
Shopifyが世界的に利用されている大きな要因として、越境ECに必要な機能が揃っているという点が挙げられます。言語、決済、配送という越境ECのボトルネックとなりやすい点について、簡単に対応できるアプリが揃っており、世界のさまざまな国・地域で商品を販売することが可能です。
また、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSとの連携が簡単にできるもの特徴です。SNS上に購入ボタンを設置することもできます。ECのプロモーションにおいて、SNSは有力なツールになりつつあります。Shopifyは、SNSや外部サイトとの連携も簡単にでき、自社サイトの集客を強化してくれます。
ここまで説明した、Shopifyの特徴・メリットを簡単にまとめると、次のようになります。
・デザイン性の高いECサイトを簡単に開設できる
・ECサイト開設・運用に必要な機能が全て揃っている
・スタートアップから規模拡大まで必要な機能を適宜追加できる
・多言語・多通貨・海外出荷など越境ECに対応する機能がある
・SNS、外部サイトとの連携が簡単で集客を強化できる
Shopify利用にあたってのサポート

Shopifyは、2017年頃まで日本語で利用するには不十分な点がありましたが、2017年~2018年にかけて、日本語対応が進み、日本語でも問題なくECサイト開設・運用ができるようになりました。
現在は、管理画面が日本語に対応している他、2018年8月にオープンしたばかりの「日本語版コミュニティフォーラム」では、Shopify利用に関する質問や情報を、ShopifyスタッフやShopify利用者と共有することができます。
ウェブ検索などでShopifyについて調べると、他のECプラットフォームに比べ情報がまだ少ないところがあるのですが、Shopify公式サイトのブログでは、Shopify利用に関するさまざまな情報が掲載されています。
また、自社だけでShopifyを利用するのが不安な場合は、Shopifyを使ったECサイト構築から運用、マーケティングなどを代行、サポートしてくれる「Shopifyパートナー」と呼ばれる会社もあります。
Shopify公式の「shopify experts」というサイトでは、そんなパートナー企業を探すことができます。日本で有名なパートナー企業としては、たとえば、株式会社フラクタがあります。同社 代表取締役 河野氏は、2018年4月、Shopifyエバンジェリストに任命されています。
Shopifyの利用料金とできること

Shopifyの利用料金には「Basic Shopify 」「Shopify」「Advanced Shopify」の 3つのプランがあります。
月額料金に加え、クレジットカード手数料がかかります。また、Shopifyの決済サービスである「Shopifyペイメント」以外の支払い方法を利用する場合は、その分の取引手数料もかかります。プラン毎の料金は以下の通りです。
●ベーシック
・スタッフアカウント数:2
・月額料金:USD$29
・クレジットカード手数料:国内カード 3.4% + 0円/海外カード・AMEX 3.9% + 0円
・外部の支払い取引手数料:2.0%
●スタンダード
・スタッフアカウント数:5
・月額料金:USD$79
・クレジットカード手数料:国内カード 3.3% + 0円/海外カード・AMEX 3.85% + 0円
・外部の支払い取引手数料:1.0%
●プレミアム
・スタッフアカウント数:15
・月額料金:USD$299
・クレジットカード手数料:国内カード 3.25% + 0円/ 海外カード・AMEX 3.8% + 0円
・外部の支払い取引手数料:0.5%
いずれのプランでも、商品数・ファイルストレージは無制限です。また、すべてのプランに共通するサービス・機能として、以下があります。
・24時間体制のサポート
・不正分析
・手動で注文作成
・ディスカウントコード
・ウェブサイト&ブログ
・カゴ落ち対策
・無料SSL証明書
・ギフトカード
また「スタンダート」「プレミアム」には、以下のサービスも加わります。
・ギフトカード
・プロフェッショナルレポート
さらに「プレミアム」では次のサービスも利用できます。
・高度なレポートビルダー
・送料の自動計算
14日間の無料トライアルも用意されているので、Shopify利用を考えている場合は、まずは無料トライアルを利用してみると良いでしょう。
どんなECサイトで使われている?Shopifyの事例

Shopifyを利用している日本のEC企業として、有名な企業では、靴下屋などのブランドを運営するタビオ株式会社や、株式会社ゴーゴーカレーグループなどがあります。
また、越境ECを行っているストアとして、Shopify公式ブログでは次のようなECサイトが紹介されています。日本向けの販売はShopify以外のサービスを使っており、越境ECサイト作成にShopifyを利用している場合もあります。
・Bento&co(株式会社BERTRAND)
京都発の弁当専門店。ヨーロッパで弁当箱が知られるきっかけとなったサイト。
・Fake Food Japan(JDクリエーションズ合同会社)
訪日外国人などにも人気の食品サンプルの専門店。オーダーメイドも可能。
・GLOKEN(一般財団法人グローバルけん玉ネットワーク)
世界でけん玉の普及を進める団体のサイト。通販ではさまざまなけん玉を販売。
・ModelTrainPlus
鉄道模型専門店。スモールスタートから世界中で愛されるショップに成長している。
・MUSUBI(山田繊維株式会社)
創業1937年の風呂敷専門店。現代のライフスタイルに合った風呂敷を提案している。
・Solaris Japan(株式会社Solaris Japan)
日本のゲーム・アニメグッズを販売。ファンの気持ちを汲んだ丁寧な梱包や発送が好評。
・高岡屋(株式会社高岡)
京都の伝統工芸を受け継ぐ、職人の手によって作られる座布団や布団を販売。
以上のサイト以外にも、日本国内向けのECサイトにShopifyを利用している事例も増えています。
それらのサイトの特徴としては、規模の大小は問わず、何らかの専門性、ブランドを持った商品、サービスを提供していることが多いです。また、デザインがすっきりとしたスタイリッシュなサイトが多いのも、Shopify利用らしい特徴です。
ShopifyはどのようなEC事業者におすすめなのか

Shopifyをおすすめできる事業者としては、第一に、自社サイトで越境ECを行いたいという場合です。日本にある他のASPサービスなどと比べても、Shopifyは越境ECにおける利便性が非常に高いプラットフォームです。
また、SNSの活用を積極的に行っている、あるいは今後重視していきたいという事業者にも、Shopifyはかなりおすすめです。FacebookやInstagramなど、ECサイトのマーケティング、プロモーションによく使われるチャネルからの送客を効率的に行うことができるでしょう。
他には、少数精鋭で効率的なECサイト運営を行いたいという場合も、Shopifyは向いています。アプリ機能を積極的に活用することで、Shopifyひとつでバックオフィス業務までをまとめることができます。今までモール出店のみだった事業者でも、Shopifyであれば効率的な運営が可能です。
これまでは、日本の事業者がShopifyを活用する場合は、越境ECがメインとなることが多かったですが、日本語対応が進んだことで、今後、国内向けのECサイトにもShopify活用が進む可能性が大いにあります。
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