世界175ヵ国、60万以上のECサイト構築・運営に利用されているカナダ発のECサイト作成プラットフォーム「Shopify」。管理画面やサポートを日本語で問題なく使えるようになり、日本の利用者も急激に増えていますね。
Shopifyを利用すると、多言語・多通貨・海外配送が簡単にできるので、越境ECを行いたいEC事業者にとっては特に注目のサービスです。また、SNS連携にも強みを持つなど、時代のニーズを反映したサービスと言えます。
そんなShopifyの利用を検討する場合、日本国内で既によく使われているサービスと比較して、どのような違いがあり、どちらが使いやすいのかというのは気になるところではないでしょうか。
日本国内にもさまざまなECサイト作成のためのサービスがあります。その中でも、今回はスタートアップや個人・小規模のEC事業者におすすめのサービスとして、「BASE」と「Shopify」との比較を行いたいと思います。
Shopifyを使うメリットについてまとめたホワイトペーパーもございますので、ぜひご覧ください。
ShopifyとBASEの共通点
ShopifyとBASEの違いを比較する前に、まず、双方にどのような共通点があるかを挙げてみました。
- ASPによるECサイト開設・運営サービス
- ECサイト開設が非常に簡単
- Appにより必要な機能を追加できる
ECサイトを開設・運営する際に、これらの点を求めていないのであれば、そもそもShopifyやBASE以外のサービスを検討した方が良いということになります。
ECサイト構築・運営に際し上記の点を求めており、その上で最適なサービスを探しているという場合は、ここから解説していくShopifyとBASEの違いが参考になるでしょう。
ShopifyとBASEの違い
ここからは、ShopifyとBASEとの違いを、ECサイト開設の手順から順を追って比較していきます。
簡単!ECサイト開設までの手順
ShopifyもBASEも、ECサイトを非常に簡単に開設できる仕組みです。その手順はほぼ共通していますが、どちらがより簡単かと言えば、BASEの方が簡単です。一方で、Shopifyの方が選択の幅は広がります。
まず、メールアドレスとパスワードに加え、Shopifyでは「ストア名」、BASEでは「URL」を決めるだけでアカウントが発行されます。アカウント発行後は、決済方法の設定、送料の設定、特定商取引法に基づく情報の入力を行う点は共通です。
BASEの場合、後は商品登録を行えばECサイトが公開されます。
Shopifyの場合は、サイトのデザインの基となるテーマを選び、必要に応じてカスタマイズを行います。BASEでもテーマの選択、カスタマイズは可能ですが、デフォルトのまま公開ことも可能です。
ShopifyとBASEのいずれも、無料のテーマと有料のテーマがあります。テーマの数では、Shopifyの方がはるかに多く、プロのデザイナーが作成したものが揃っています。
また、BASEのテーマもデザイン性の高さで評価されていますが、より多くの選択肢から選びたい、海外受けの良いテーマを選びたいという場合は、Shopifyの方が満足度は高くなるはずです。
この他、Shopifyではデフォルトで「登録時に入力したショップ名.myshopify.com」というドメインの登録になりますが、サイト開設時、これを他のドメインと連携したり、新たな独自ドメインを購入したりすることが可能です。
ただし、BASEでも独自ドメインの取得は可能で、サイト開設後にAppの追加により行います。
多様化に対応できるか?決済方法の違い
ECサイトの開設と並行して準備する必要があるのが、決済方法です。決済方法に関しては、ShopifyとBASEとで分かりやすい違いがあります。
Shopifyの決済方法
Shopifyで利用できる決済方法としては下記があります。これらの決済方法を見ると、Shopifyがカナダ発のサービスであり、グローバル対応に強いサービスであることがよく分かります。
ポイントとなるのが「Shopifyペイメント」です。
Shopifyペイメントでは、外部サービスで手続きをする必要なく、クレジットカード(Visa、Mastercard、American Express)・Apple Pay・Google Pay・Shopify Payの利用が可能になります。振込手数料は不要で、カードの決済手数料のみ発生します。ただし、ShopifyペイメントはJCBのクレジットカードに対応していないので注意しましょう。
また、PayPalはサイト開設時のデフォルトで導入されています。しかし、その他の方法については個別に設定したり、外部サービスのアカウントを取得したりする必要があります。多通貨に対応しており、決済方法の選択肢は広いですが、その分、必要な手続きは増えます。
- クレジットカード決済
- 代引き
- コンビニ決済
- 銀行振込
- Shopify ペイメント
- Apple Pay
- Google Pay
- Shopify Pay
- PayPal
- Amazon Pay
- KOMOJU
- Stripe
- 2Checkout
- CyberSource
- BitPay
BASEの決済方法
BASEの決済方法は「BASEかんたん決済」が推奨されています。
BASEかんたん決済は、クレジットカード決済、コンビニ決済・Pay-easy、銀行振込、後払い決済、キャリア決済の5つの決済方法に対応したエスクロー決済です。決済手数料として3.6% + 40円、またサービス利用料3%が一律で発生します。
BASEかんたん決済の利用手続きさえすれば済むため、非常に簡単です。Shopifyに比べると選択肢は減りますが、日本国内をメインとしたECサイトであればこれで十分でしょう。
必要な機能をカスタマイズ!Appの違い
ShopifyもBASEも、デフォルトでECサイトに必要な最低限の機能は備えており、そこから必要に応じてApp(以下「アプリ」)により機能追加ができます。
アプリの全体的な特徴として、Shopifyは必要に応じて幅広く機能をカスタマイズできるようになっており、BASEは極力コンパクトにECを運営できるようになっています。
Shopifyのアプリ
Shopifyには無料のものから有料のものまで約3,200ものアプリがあり、その拡張性の高さが魅力です。アプリを活用することで、フロントオフィスからバックオフィスまで一括で管理ができ、業務の効率化も図れます。
Shopifyで特に注目されているのが、多言語・多通貨対応や、世界対応の配送会社との連携など越境ECに関わる機能です。また、SNSとの連携なども注目度の高い機能です。
一方で、ここまでアプリの数があるとどのアプリが必要なのか分かりにくいという問題もあります。
そこで参考になるのが、Shopify公式ブログやコミュニティフォーラムです。公式ブログではテーマごとにおすすめのアプリが紹介されており、コミュニティフォーラムではShopify利用者同士での情報交換が可能です。
また、「パートナープログラム」として、ShopifyでのEC開設・運営を支援する会社やサービスもありますので、不安な場合はサポートを受けると良いでしょう。
BASEのアプリ
BASEのアプリは50弱とShopifyに比べると随分少なく感じますが、その分、必要なものがコンパクトにまとまっています。BASE内の機能であるOfficial Appsと、外部サービスと連携するConnect Appsとがあります。
Official Appsは無料で使えるものが多く、人気のアプリとしては次のようなアプリがあります。
- かんたん発送(ヤマト運輸連携)※課金あり:送り状をコンビニやヤマト営業所の端末で発行しその場で発送。配送料は売上金から自動引き落としができる。
- メッセージ:お客様とショップ上でやり取りが可能なメッセージ機能を設置。
- セール:セールの価格設定ができる。
- レビュー:レビュー情報を表示、返信できる。
- ラベル:商品画像に約280種類から選んだラベルを貼付できる。作成した画像の登録も可能。
- HTML編集:サイトのHTMLを編集できる。
- 送料詳細設定:商品ごとに複数の配送手段を設定することができる。地域別設定や送料無料設定にも対応。
- カテゴリ管理:商品毎にカテゴリを設定できる。
- ショップロゴ作成:オリジナルのロゴを作成することができる。
Connect Appsはアプリ内で課金があるものが多いですが、小規模のEC事業者にとって非常に助かる機能が揃っています。人気のアプリとしては次のようなアプリがあります。
・Instagram販売
・商品の保管・梱包・配送代行サービス※課金あり
意外と基本的な機能もアプリでカスタマイズする印象ですが、その分、必要最低限でのEC運営も可能です。
低コストを実現!サービス利用料金の違い
Shopifyの利用料金
Shopifyには次の3つの料金プランがあります。月額料金とは別に、カード利用手数料(Shopifyペイメントを利用すれば不要)、外部の支払い方法の取引手数料が発生します。手数料率はプランによって異なります。
ベーシック:月額USD$29
スタンダード:USD$79
プレミアム:USD$299
また、プランによってスタッフアカウント数と利用できる機能に多少違いがあります。14日間の無料トライアルが可能なので、まずはトライアルを利用して使用感を試してみると良いでしょう。
BASEの利用料金
BASEは、初期費用・月額費用0円で、無料で始めることができます。
料金が発生するのは、有料のテーマを利用した時、また決済手数料や課金ありのAppを利用した時、その他、配送コストなどです。
基本的に注文が発生しなければ料金は発生しないので、とりあえずECサイトを作りたいという時にも気軽に利用できます。
ShopifyとBASEのどちらを選ぶべきか
ShopifyとBASEの共通点と違いを比較してきましたが、最終的にShopifyとBASEのどちらを選ぶべきなのでしょうか。
何のサービスでもそうですが、どれかひとつが絶対ということはほとんどなく、利用者の状況によっておすすめのサービスは変わっていきます。
ShopifyとBASEでは、それぞれ次のようにおすすめのケースを分けることができます。
Shopify利用がおすすめのケース

- 越境EC、海外への販売も積極的に行いたい
- 他にも販売チャネルを持っている
- ECやWebマーケティングに関する知識や経験がある
- 法人、大規模にECサイトを運営していきたい
- 独自の商材を持っている
BASE利用がおすすめのケース
- 基本的に国内向けの販売を行いたい
- 初めてECサイトの構築・運営を行う
- ECやWebマーケティングに関する知識や経験があまりない
- 個人、少人数でECサイトを運営していきたい
- 作品を自分で販売したいクリエイター
上記は絶対というわけではありませんが、傾向として参考になるのではないでしょうか。
また、最初はより簡単なBASEから始めて、途中からShopifyでサイトを開設して連携するという方法もあります。越境ECを行っているECサイトでは、日本向けのサイトはShopify以外で作成し、越境EC用のサイトはShopifyで作成しているというところもあります。
ネットショップ開設が簡単に。世界シェアNO.1「Shopify」
受注・出荷業務の効率化について詳しく知りたい方は、下記リンクの「お問い合わせ」にてお気軽にご相談ください。
国内800以上の物流サービスと連携しているEC自動出荷「シッピーノ」
