2017年~2018年にかけて、配送会社の運賃改定が続く中で、他のEC店舗がどのような送料・配送施策を行っているのか、気になるところではないでしょうか。
今回は、Yahoo!ショッピングのベストストアアワード2017の受賞店舗について、送料・配送施策をまとめました(2018年4月16日時点)。
ベストストアアワード2017には、対象・総合賞、部門賞、特別賞があります。その中で、部門賞の以下の受賞店舗に絞り、【配送会社/送料/配送日時】についてまとめています。
■ファッション
―レディースファッション
―メンズファッション
■食品
―スイーツ
■DIY・インテリア
―インテリア・寝具・収納
■ビューティー・ヘルスケア
―ダイエット・健康
■家電・スマホ
―スマホ、タブレット、パソコン部門
■スポーツ・レジャー
―アウトドア、旅行用品部門
■ファッション レディースファッション部門
□1位:osharewalker(オシャレウォーカー)
※楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017年受賞店舗
●配送会社:日本郵便
・2017年7月にヤマト運輸から日本郵便へ変更になった
・佐川急便の希望も可能
●送料:全国一律550円
・10,000円(税抜)以上で送料無料
・送料無料商品あり
・ゆうパケット利用時は全国一律260円
●配送日時
・入金/注文確認後3営業日以内に発送
・日時指定は注文日の5日後~10日目
・日曜は定休日
□2位:soulberry(ソウルベリー)
※楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017年受賞店舗
●配送会社:佐川急便
●送料:全国一律590円
・6,480円(税込)以上で送料無料
・送料無料商品あり
●配送日時
・受注後5日以内の発送
・日時指定は注文日の5日後以降~2週間以内
・土日祝は定休日
□3位:e-zakkamania stores(イーザッカマニアストアーズ)
●配送会社:日本郵便
●送料:全国一律690円
・北海道の離島、沖縄は別途地域料660円
・10,800円以上で送料無料
・送料無料商品あり
・メール便利用は全国一律260円
●配送日時
・注文/決済完了の当日~3営業日以内に発送
※2018年4月16日時点、注文集中のため通常より遅い発送
・土日祝は定休日
受賞3店舗のまとめと考察
・配送会社:日本郵便もしくは佐川急便
・送料:全国一律550円~690円
※送料無料は10,000円以上と6,000円以上
・配送日時:注文日当日~5日以内に発送
上位2店舗は楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017のレディースファッション部門受賞店舗と同じです。モール展開に強いショップと言えるでしょう。
配送会社は日本郵便が2店舗、佐川急便が1店舗でヤマト運輸の利用はありませんでした。ヤマト運輸の運賃改定のタイミングで日本郵便に切り替えた店舗もありました。
その後、佐川急便とヤマト運輸も運賃の定価の値上げを行っていますが、個別の法人契約はまた違うのかもしれません。ただ、日本郵便も最近は荷受量増加が問題視されているので、何らかの変化がある可能性もあります。
送料は3店舗とも全国一律料金を取っています。送料無料となる購入代金は2店舗が10,000円以上、1店舗が6,000円以上でした。商品価格帯がそれほど高くないので、送料無料商品を設定するなど、消費者が送料を仕掛けが見られます。
配送日時は即日発送の店舗もありますが、定休日も合わせるとだいたいが一週間以内に発送といった感じでした。
■ファッション メンズファッション部門
□1位:JOKER by EverGreen(ジョーカー)
※楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017年受賞店舗
●配送会社:佐川急便
●送料:全国一律350円
・10,080円以上で送料無料(北海道・沖縄・離島は600円)
●配送日時
・注文日より1日~5日で発送
・日時指定は注文日より7日以内
・土日祝は定休日、日祝は発送休み
□2位:ARCADE
●配送会社:日本郵政(一部佐川急便、ヤマト運輸)
・配送会社の指定不可
●送料:全国一律650円
・8,000円以上で送料無料
・ゆうパケット利用時は全国一律250円
・メール便利用時は全国一律200円
●配送日時
・即日~翌日発送(休業日を除く)
・土日祝定休日、発送は日祝が休み
□3位:インプローブス
●配送会社:佐川急便
・※沖縄、一部離島はゆうパック
●送料:全国一律540円
・10,080円以上で送料無料
●配送日時
・入金日より2営業日以内の発送
・日時指定は購入日の3日以降14日以内
・午前10時までの注文は当日対応
・昼12時までの注文はあすつく対応
・土日祝も営業
受賞3店舗のまとめと考察
・配送会社:佐川急便もしくは日本郵便
・送料:全国一律350円~650円
※送料無料は8,000円~1,0080円以上
・配送日時:即日発送~5日以内
配送会社はメンズファッションでは佐川急便が2店舗、日本郵便が1店舗でヤマト運輸をメインとしているところはありませんでした。地域によって配送会社を使い分けているケースもあります。
配送料を抑えるために、一社だけでなく、地域によって会社を変えたり、宅配便以外を利用したり、店舗側もさまざまな対応を行っています。
送料はレディースファッションよりやや安い傾向ですが、送料無料となる購入代金はやや高くなっています。いずれにせよ10,080円ラインはひとつの基準です。
配送日時はレディースファッションよりメンズファッションの方が早い傾向にあります。即配にも対応しており、ファッションに関しては、男性の方が即配ニーズが高いのかもしれません。
■食品 スイーツ部門
□1位:LT BY LOUANGE TOKYO
●配送会社:ヤマト運輸
●送料:728円(関東・南東北・信越・北陸・中部)~1592円(沖縄)
・地域により異なる
・クール便は944円(関東・南東北・信越・北陸・中部)~1808円(沖縄)
●配送日時
・決済/入金日より5営業日以内に発送
・日時指定は入金/決済日より5日以降
・土日祝は定休日、発送も休み
□2位:オーガニックサイバーストア
●配送会社:ヤマト運輸
●送料:全国一律890円(北海道・沖縄を除く)
・北海道:1180円/沖縄:1600円
・10kgまで
・送料無料商品あり
●配送日時
・注文後2~7営業日で配送
・日時指定は都度要確認
・冷蔵便の日時指定は出荷日より2日以内
□3位:ぼくの玉手箱屋ー
●配送会社:日本郵便
・クール便はヤマト運輸
・一部地域は佐川急便
●送料:全国一律送料無料
●配送日時
・注文/入金日より1~3営業日以内に発送
受賞3店舗のまとめと考察
・配送会社;ヤマト運輸もしくは日本郵便
・送料:無料~890円
・配送日時:注文/入金日から1~7営業日
スイーツの場合、ヤマト運輸の利用が2店舗、1店舗は日本郵便の利用だったが、その場合もクール便はヤマト便を利用している。食品であり配達の正確さや品質管理が問われるため、これまでの実績と評価のあるヤマト運輸が選ばれる傾向になるのではないだろうか。
送料は店舗によりバラつきがあり、すべて無料としている店舗もあれば、地域ごとに料金を設定している店舗もある。同じスイーツによっても、製造状況や扱っている商品の種類によって、このあたりは変わってくるのかもしれない。
配達日時も店舗により即配の店舗もあれば余裕をもっている店舗もある。賞味期限が短い商品など管理が難しい商品ほど、早く配達するよりも正確に配達することが重視されることも影響している。
■ビューティー・ヘルスケア ダイエット、健康部門
□1位:MTG ONLINESHOP
●配送会社:佐川急便
●送料:全国一律210円
・5,500円以上で送料無料
●配送日時
・13時までの注文で当日発送
□2位:ケンコーコム
●配送会社:店舗指定の配送業者
●送料:全国一律600円
・3,500円以上で送料無料
・送料無料商品あり
●配送日時
・日時指定は注文日から11日目以降~20日目
・日曜は定休日、発送も休み
□3位:シードコムスYahoo!店
●配送会社:クロネコメール便
●送料:全国一律無料
●配送日時
・注文確認後1~2営業日以内に発送/入金確認後3営業日以内に発送
受賞3店舗のまとめ
・配送会社:佐川急便・クロネコメール便・その他
・配送料:無料~200円
※送料無料は3,500円~5,500円以上
・配送日時:即日発送~3営業日以内に発送、その他
受賞3店舗の方針が大きく違っていますが、共通点としては、いずれも送料が無料になりやすく、消費者が送料を抑えて注文できるという点があげられます。
そのための配送業者は、1店舗は佐川急便ですが、1店舗は都度指定、1店舗はクロネコメール便となっています。
配送日時は、ダイエットや健康食品系は基本的に即配傾向がありますが、1店舗は注文ごとの調整となるなど、他と違った特徴がありました。
■DIY・インテリア 家具、インテリア部門
□1位:タンスのゲンYahoo!店
※楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017受賞店舗
●配送会社:佐川急便 ヤマト運輸 福山通運 久留米運送 多摩流通 SGムービング
・国内の全国配送は佐川急便 ヤマト運輸 福山通運
●送料:無料
・北海道・沖縄・離島は、別途送料
・送料無料商品あり
・大型商品で特定地域については、別途5,000円~20,000円の追加料金がかかる場合あり
●配送日時
・注文後/決済後3~7日で配送
・時間指定は午前/午後のみ
・土日祝の出荷は休み
□2位:ニトリ Yahoo!店部門
●配送会社:佐川急便/ニトリ配送センター
・ニトリ配送センターは配送員設置
●送料:540円
・通常送料、玄関先納品商品が対象、7,560円以上で送料無料
・配送員設置商品の場合、平日1,080円、土日祝2,160円
・その他、商品毎に個別送料がかかる場合あり
・沖縄県及び、離島・ニトリ配送指定地域外は追加料金
●配送日時
・玄関先渡し:注文確定後2日~5日後に出荷
・配送員設置:注文確定後5日~10日後に配送
・日時指定は配送方法により異なる
□3位:LOWYA
※楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017受賞店舗
●配送会社:西濃運輸、ヤマト運輸、佐川急便、プラスカーゴ、クリナップ、日本郵便、他
・商品、地域等により、出荷元指定の運送会社を利用
●送料:商品毎に設定
・北海道・沖縄県・離島、一部地域は別途送料
●配送日時
・注文受付後、4日〜10日前後で配送
受賞3店舗のまとめ
・配送会社:商品・地域によりさまざま
・配送料:商品により異なる
・配送日時:注文確定後3日~10日で配送
受賞3店舗のうち2店舗は、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017も受賞している事業者です。モール展開に強いショップと言えるでしょう。
家具、インテリアは、取扱商品の性質上、配送会社や配送料が商品や地域によって細かく分かれており、一概にこうと言えないカテゴリになります。
ネット通販の家具、インテリアは玄関先渡しになることがほとんどですが、ニトリの場合は、自社の配送網で配達員設置にも対応しています。これは、他の店舗がなかなか真似できない点でしょう。
配送の部分はトラブルになりやすいので、家具、インテリアのように仕組みが複雑になる場合は、サイト上での詳細の説明と、問い合わせに対応できる体制も必要です。
■家電、スマホ スマホ、タブレット、パソコン部門
□1位:Joshin web
●配送会社:自社配送または宅配便(ヤマト運輸・佐川急便等)
●送料:590円
・5,000円以上で送料無料(北海道・沖縄・一部地域を除く)
・沖縄県は2,000円、北海道は600円の追加料金
●配送日時
・商品がそろい次第の発送
・商品・地域によっては翌日指定可能
□2位:NTT-X Store Yahoo!店
●配送会社:佐川急便
●送料:全国一律756円
●配送日時
・注文確認後1~5営業日以内に発送
・注文確認後7営業日以降の日時を指定可能
・土日祝の出荷はお休み
□3位:ソフマップYahoo!店
●配送会社:店舗指定の配送業者
●送料:540円
・5,000円以上で送料無料
・沖縄県は1,080円
●配送日時
・商品により異なる
・対象商品・エリアでは正午までの注文であすつく利用可能
受賞3店舗のまとめ
・配送会社:佐川急便もしくは店舗指定
・配送料:540円~756円
※5,000円以上で送料無料の場合あり
・配送日時:商品によって異なることが多い
大手が受賞しています。自社配送や商品・地域ごとの指定があり、配送会社は定まっていません。
送料に関してはおおむね共通しており、送料無料となる価格帯は低めです。
配送業者が定まらないため、配送日時に関してもケースバイケースになりがちですが、商品によっては比較的早く発送してもらえます。
■自動車・自転車・オートバイ カーオーディオ・アクセサリー部門
□1位:クレールオンラインショップ
●配送会社:店舗指定
●送料: 750円
・北海道・沖縄は1440円
●配送日時
・注文確認後、当日または翌日発送
・15時までの注文は当日受付
□2位:ドライブマーケット ヤフー店
●配送会社:日本郵便/佐川急便/西濃運輸
●送料:1,000円
・北海道は1,500円、沖縄は2,000円
・大型商品は商品毎に異なる
・タイヤは送料無料
●配送日時
・注文後、3日前後で配送
・日祝定休日
□3位:カー用品のWEBいち店
●配送会社:佐川急便
●送料:全国一律料金:480円(沖縄県・離島・一部地域を除く)
・タイヤ単品、タイヤホイールセットを除く
・送料無料商品あり
・沖縄県は1,080円、その他離島の一部地域で中継料発生
●配送日時
・注文確定より1~5営業日以内の発送
・時間指定が可能
受賞3店舗のまとめと考察
・配送会社:佐川急便の他、店舗により異なる
・配送料:480円~1,000円
・配送日時:注文確定より1~5営業日以内の発送
カーオーディオ・アクセサリー部門も、店舗と商品・地域により配送会社が細かく分かれています。送料も、全国一律料金にバラつきがあります。また、地域や商品によっては追加料金がかかります。
配送日時は、商品にもよりますが、比較的早め。商品の性質上、なるべく早くほしい、ないと困るというものが多いので、早く出荷して早く届けるというのは、競合との差になるでしょう。
全体の傾向と考察
ここまでまとめてきて、ジャンルごとに特徴が出ていると思います。配送へのニーズは、取扱商品や顧客層によって異なるので、当然と言えば当然なのですが、配送の施策を考えるときには、EC市場全体だけでなく、ジャンルに絞った考え方も必要になります。
すべてのジャンルのすべての商品を早く安く届ける必要はなく、商品毎に適切な設定があります。全商品を見直すのは大変ですが、主力商品だけでも個別に見直してみると良いのではないでしょうか。
また、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーとYahoo!ベストストアアワードの両方を受賞しているEC事業者もいるので、そういったところのモール展開のやり方は参考になります。
配送業者選定の参考に!主要サービス配送料まとめ
運賃改定が続く中で、どの配送業者を選ぶかというのは、送料を抑えるためのひとつのポイントとなるでしょう。
物流~配送を効率化してコストを抑える方法として、物流代行サービスを利用するというのもおすすめの方法です。
単に料金を抑えるというよりは、業務を効率化することでリソースに余裕ができ、その分、売上に直結する施策に力を注ぐことができます。
送料・配送施策として物流業務を見直されるなら、ぜひ検討してみてください。