当ブログを運営するシッピーノには、よく「FBAマルチチャネルサービスで、ヤフショの『優良配送』は取得できるのか」という質問が寄せられます。
この度、「FBA利用で優良配送が取得できるのか?」というご質問に対して、参考にしていただける情報を取得すべく、シッピーノ利用者様に対してアンケ―トによる取得状況の調査を行いましたので、当ブログでもご共有いたします。
本レポートの注意点
シッピーノの利用者に対して、メールにてアンケートを送付いたしました。
回答は任意かつ無償であり、アンケートの送付先はシッピーノの利用者様に限られるため、2023年8月21日時点でN=14と、サンプルサイズは小さく、統計としての信頼性も高くないと認識しております。
統計的なファクトというよりも、個別の事例として認識いただけますと幸いです。
5ストア(14ストア中)が優良配送を取得
結果・傾向・考察
Q: Yahoo!ショッピングとFBAを連携されている方に質問です。「優良配送」の認証は取得できていますか?
取得できている:5ストア
取得できていない:9ストア
まず、FBAマルチチャネルサービスを利用し、シッピーノを用いてYahoo!ショッピングと連携している14ストアのうち、優良配送の認証が取得できていると回答いただけたストアの数は「5ストア」でした。
傾向:「出荷件数」が分水嶺に
まず、FBA利用で優良配送が取得できているストアの傾向についてご紹介します。
取得できている5ストアのうち4ストアが、Yahoo!ショッピングの店舗単体で月間100件以上の出荷件数がありました。
また、月間100件以上の出荷に届いていないものの優良配送が取得できている1ストアに関しては、ストアの運営歴が5年ほどと非常に長い期間にわたってYahoo!ショッピングでストア運営を行っています。
一方で、FBAで優良配送が取得できていない9ストアのうち、Yahoo!ショッピングで月間100件以上の出荷件数があるストアは1件のみとなっています。
出荷件数を軸にした傾向をまとめると、以下の通りとなります。
- 月100件以上の出荷実績があるストア:4/5 ストアが優良配送を取得できている
- 月~数十件の出荷実績があるストア:8/9 ストアが優良配送を取得できていない
なお、月100件以上の出荷件数があるにも関わらず、優良配送を取得できていない1ストアについては、その原因を個別に調査中です。
考察:優良配送の条件から考える
条件のおさらい
ここで改めて、優良配送の認定基準をチェックしてみましょう。
Yahoo!ショッピングは優良配送を付与する要件として、次の2つを定めています。
①最短お届け日が「注文日+2日以内」
②「出荷遅延率」(※)が5%未満
※全注文数のうち、遅延対象となる注文数の割合
両方の条件をクリアすることで、優良配送の認証を受けることができます。
実績をもとにした基準がカギ
上記の条件のうち、②の「出荷遅延率が5%未満」という要件は、特に注意が必要です。
過去の実績をもとにした条件になっておりますので、「出荷遅延率の算出に一定の件数が必要」「母数が大きいほど、1件の出荷遅延が与える影響が小さくなる」という2点で、出荷件数が大きいほど有利になるでしょう。
出荷遅延率が算出される基準となる出荷件数は、「優良配送を取得するための要件」という文脈ではマニュアル等に明記されておりません。
一方で、「優良店」の認定基準では3か月の注文数600件以上(月平均200件)が基準とされています。
今回のアンケートでは、月間100件ほどの出荷件数のストアでも優良配送の取得実績ありと回答いただいたケースもあり、月100~200件ほどが目安になるのではないかと示唆されます。
FBAマルチチャネルサービス利用でも優良配送の実績もあるということがわかりました。ただし、出荷件数が安定的に月100件以上あることも必要だと見られ、決して優良配送を取得するハードルは低くない、ということが、本アンケートから得られる妥当な結論でしょう。
おわりに:出荷件数が少ないストアはどうすればいい?
FBAマルチチャネルサービスを利用して優良配送を取得する際に、出荷実績が大きなファクターになるとすると、「売上をアップさせるために優良配送を取りたいのに、優良配送を取るのに出荷件数が必要になってしまう・・・」というジレンマに陥ります。卵が先か鶏が先か……これは悩ましいです。
この悩みに対しては、以下のような対策が考えられます。
Yahoo!ショッピング対策の優先度を念頭に置きながら、検討いただくと良いでしょう。
- ヤマト運輸のフルフィルメントサービス(通称:ヤマトフルフィルメント)を利用する
- 出荷実績を作るために、「オープン記念セール」等の値下げを実施する
- モール内広告を積極的に活用する
- 出荷実績を作るために、SNS等で外部流入を稼ぐ
特に、ヤマト運輸のフルフィルメントサービスは、2023年7月現在、無条件で優良配送を取得することができるため、最も確実な方法と言えます。
一方で、在庫分散による売り逃しや工数増を避けるためにFBAマルチチャネルサービス利用を継続しつつ出荷実績を積むには、値下げの実施やモール内広告への投資といった、販促施策を強化するというある種の「王道ルート」を通ることになるでしょう。
自動出荷アプリ「シッピーノ」はFBAやヤマトフルフィルメントとECを繋ぎ、受注業務を自動化します
シッピーノは「倉庫への出荷依頼」にまつわる一連の受注業務を自動化するアプリです。
国内主要ECモール・カートのほか、FBAマルチチャネルサービスやヤマト運輸のフルフィルメントサービスといった主要物流サービスと連携。
エラーやイレギュラーな注文以外は自動で処理しつづけるため、土日でも出荷依頼を行うことができます。優良配送の取得という意味でも、強い味方です。