ECの物流アウトソーシング先には、「定額系物流サービス(以下、定額物流)」と「カスタム系物流サービス(カスタム物流)」という考え方があります。定額物流は、サービス内容と料金があらかじめ決まっている物流サービス、カスタム物流は、荷主に合わせたサービスと見積もりを提供する物流サービスです。
ECの物流業務をアウトソーシングする場合、最初は小規模から利用可能でコストを抑えられる定額物流サービスの利用がおすすめです。しかし、定額物流では荷主に合わせたサービスのカスタマイズが難しいため、事業が成長するにつれて、カスタム物流へ移行するのが一般的です。
最大の特長・メリットはカスタマイズ性

定額物流からカスタム物流へと移行する最大の理由は「カスタマイズ」です。
定額物流では、基本サービス、オプションサービス含め、決まったサービスから選ぶことしかできません。しかしカスタム物流では、荷主であるEC事業者ごとにカスタマイズしたサービスが提供されます。そのため、物流周りのサービスで差別化や、定額物流では取り扱いの難しかった商品の扱いも検討できます。
また、事業が成長して在庫数や出荷数が増加すると、定額物流では在庫の上限の問題や、商品1個あたりで保管料を算出する料金体系が逆に割高になることがあります。配送エリアや商品のサイズによって配送会社を使い分け、配送料金を抑えたいといったニーズもあるでしょう。これらに対応し得るのがカスタム物流です。
比較検討が難しく、時間がかかる

カスタム物流は、定額物流のようにあらかじめ決まった料金表はなく、基本的に都度見積もりとなります。サービスによって見積もりの項目が異なるため、比較検討が難しいというのが、カスタム物流のひとつのハードルとなります。
また、利用するサービスを決めてからも、すぐに出荷を開始できるわけではなく、システムの導入や連携、物流倉庫での体制、フロー構築などに時間が必要です。現在、定額物流を利用しており、将来的にカスタム物流への移行が必要になりそうな場合、早い段階で検討を始めることをおすすめします。
カスタム物流サービスの選び方

カスタム物流を検討する場合、まずは複数の物流事業者に見積もりを依頼することになります。その際、正確な見積もりを得るために、以下の点を明確にしておきましょう。
- 取扱商品のジャンル:温度管理、保管方法に注意が必要な商品はないか
- 月間出荷件数:実績ベースで、通常期と繁忙期の両方
- 出荷の多いサイズと比率:メール便/宅配便の各サイズ(60/80/100…など)
- 必要な坪数:パレット数、〇〇サイズ段ボール△△箱分など
また、カスタム物流の最大のメリットはカスタマイズ性です。料金はもちろん重要な指標ですが、以下も明確にしておきたい点です。これらに基づくことで、見積もりを依頼する物流事業者をある程度絞ることができます。
カスタム物流を利用したい理由
上位3つほどあげ、その理由に応えるサービスを提供している物流事業者に見積もりを依頼することで、効率的に比較検討ができます。たとえば、特定のジャンルに特化した物流サービスを探している、流通加工も依頼したい、配送サービスに付加価値をつけたいなど。
導入の決め手となる基準
見積もりをもらう前に上位3つほどあげておくと、見積もりをもらったときに比較検討しやすくなります。見積もり依頼時に物流事業者に伝えておくことで、できるだけ希望に沿った見積もりを出してもらえる可能性も上がります。
カスタム物流の見積もり内容

見積りの内容は物流事業者によって多少異なりますが、基本として以下の項目を押さえておくと良いでしょう。項目名は異なっても、ほとんどは以下いずれかに分類できるはずです。
- ピッキング・梱包費
商品ピッキング・梱包作業・伝票発行などにかかる費用。定額物流では「配送料」に含まれることが多い。 - 資材費
ダンボール・緩衝材・プチプチなどにかかる費用。定額物流では「配送料」に含まれることが多い。荷主側で資材を用意するケースもある。 - 配送費
佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便などにかかる費用。物流倉庫によって配送会社ごとに料金の違いがある。エリアやサイズなどによって配送会社を使い分けることで料金を抑えられるケースがある。 - 入庫費
商品の荷受・検品・納品にかかる費用。検品が必要な場合、同じ倉庫内で行うことできるとコストを抑えることができる。 - 保管費
坪単位または棚単位で算出される月額費用。定額物流と計算方法が大きく違う点。定額物流の利用には一定の規模が必要となる。 - 業務管理費
倉庫システム使用料・管理者の人件費などの費用。定額物流にはない項目で、料金が上がる部分。月額2万円~5万円が平均的。
信頼できる物流業者を見つけるために
カスタム物流で代表的なサービスとしては、次のようなものがあります。サービスによって独自の特徴もあるので、自社に状況に合ったサービスを選びましょう。
ロジザードZERO
倉庫の入荷から出荷、在庫管理の一連の業務をサポートするWMS(倉庫管理システム)。
クラウドサービスのため、マルチOS・マルチブラウザ対応。無線ハンディターミナル(HT)を使って商品をバーコード管理することにより検品の精度を保ち、また、リアルタイムで在庫状況や入出荷状況を確認できます。ロジザードZEROを導入している倉庫は日本全国に約800件ほどあり、ラッピングや冷蔵品、特殊な検品など、様々な要望に対応してくれる倉庫が揃っています。
▼クラウド倉庫管理・物流在庫管理システムの決定版「ロジザードZERO」
https://www.logizard-zero.com/
清長(BtoC・BtoB ロジプレミアム物流サービス)
物流アウトソーシングサービスを提供する株式会社清長。お客様のビジネスモデル、ビジネス環境をしっかりと理解し、”高品質&低価格&最適”な物流サービスを構築するサービス。 エンドユーザーのことをお客様と一緒に真剣に考え、各企業様に個別に、柔軟に対応しています。提供コストは安価に、かつ高品質な個別提案で、お客様の通販経営を支えています。
▼お客様のビジネス発展に貢献する清長の多彩な物流サービス
https://www.seicho-inc.jp/
まとめ
ここまで紹介してきた点と合わせ、導入を決定する前に、できるだけ作業現場を見学することをおすすめします。実際に作業を行うのは物流倉庫で働く人なので、どういう人たちがどういった環境、雰囲気で作業を行っているのか、現場を見ないとわからない点もあります。最終的な決め手に欠ける場合も、現場を見ることがヒントとなるかもしれません。
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