日本でEC運営を始めるにあたって、まず最初に検討されるのがモール型ECの大手3モール「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」でしょうか。

ただ、モールに同時並行で出店すると工数が大きくかかってしまうため、1店舗ずつ出店し、各モールの運営に慣れながら増やしていくケースが多いです。

そうなると迷うのが、どの順番にECを開店するのかということです。

この記事では、各モールの売上や店舗数といった定量情報と、出店のしやすさ、集客オプションの違いをまとめ、どのような順序で出店先を増やすべきか考察いたします。

モール全体の流通総額は推定で楽天市場・Amazonがツートップ

まずは流通総額から見ていきましょう。

Amazonに関しては流通総額を公表していないため、色々な数字が推測になってしまうことをご容赦くださいませ。

楽天市場:5兆118億円(2021年1月~12月期)

Amazon:5兆円前後(2021年)(※1)

Yahoo!ショッピング:1兆1883億円(※2)

※1…Amazonの日本事業売上高が2兆5378億1000万円。グローバル平均でその6割程がeコマース事業であること、そのうちさらに6割がマーチャント売上の手数料、大まかな販売手数料が10%であることから推定。

※2…ZホールディングスのFY2021年度のショッピング事業取扱高よりZOZOTOWNの当期の取扱高を差し引いたもの。PayPayモール、LINEギフト等を含む。

出店数が多いAmazon・Yahoo!、店舗数が少ない楽天市場

まずは各モールの店舗数をまとめます。

売上高と同様にAmazonは公式の発表がございませんが、2021年10月5日アマゾンジャパンはAmazon.co.jpに出店する中小規模の販売事業者は約16万社である旨を公表しており、全体の出店数は16万店~20万店のレンジであると考えられます。

楽天市場:56,000店舗(2022年3月)

Amazon:16万店~(2021年10月)

Yahoo!ショッピング:1,170,000店舗(※)

※楽天市場による第三者レポートの引用

https://www.rakuten.co.jp/ec/compare/

店舗あたりの売上で楽天市場が圧倒

上記を踏まえると、楽天市場が少ない出店数で大きな流通総額を出していることがわかります。

これは楽天市場の1店舗あたりの売上が大きいことを示唆します。

一方でAmazonの中小企業クラスの平均的な年間の売上は「700万円超」と公表されており、Amazonよりも出店数が多く流通総額が少ないYahoo!ショッピングはこれよりも小さい平均売上になると考えられます。

販売手数料の違い

楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの販売手数料の違いは以下となっています。

純粋な販売手数料の違いを求めるため、、物流関連のコストや広告関連の費用は抜きにしています。(いずれも税抜き、2022年8月時点のもの))

楽天市場

月間固定費:19,500円~100,000円

従量課金:月間売上高の2.0%~7.0%

https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/?l-id=PC_cost_simulation_to_plan

楽天市場は他のモールと比べて月間固定費が高く設定されている特徴があります。

一方で売上に応じて支払う費用はAmazonよりも低い料率となっています。

Amazon

月間固定費:4,900円

従量課金:月間売上高の8%~15%(※Amazonデバイス用アクセサリを除く))

Yahoo!ショッピング

月間固定費:無料

従量課金:月間売上高の3.5%~

※Yahoo!ショッピングはモール全体として共通の販促施策を実施するためのポイント、キャンペーン、アフィリエイトパートナー報酬の原資を負担する仕組み。

https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/cost/

3モールの中で圧倒的に少ない費用負担になります。

ただし、設定するポイント原資・キャンペーン原資の料率によって販売しやすさが変動するため、知名度の無い商品で売上をアップする場合はこれより多い料率がかかる可能性がある点にご注意ください。

モデルケース

ファッションカテゴリで月商500万円・客単価1万円のショップで比較する月額費用

楽天市場:481,500円

Amazon:464,900円

Yahoo!ショッピング:278,182円

ファッションカテゴリで月商1000万円・客単価1万円のショップで比較する月額費用

楽天市場:925,000円

Amazon:924,900円

Yahoo!ショッピング:556,363円

出店の難易度は楽天が高め

料金形態に加えて、楽天市場は出店の難易度が他の2モールより高いという特徴もあります。それぞれの出店に必要なものを見ていきましょう。

楽天市場の出店の必要情報

  • 事業形態(法人/個人事業主)
  • 会社名※個人事業主は屋号or事業主名
  • 本社所在地※個人事業主は住民票の「住所」欄
  • 代表電話番号※携帯不可
  • 代表FAX番号
  • 代表者名
  • 店舗運営責任者(所属部署)
  • 郵便物の送付先
  • 連絡先電話番号※携帯不可
  • 連絡先FAX番号
  • 連絡先メールアドレス
  • 取扱商材ジャンル
  • 決済情報

Amazonの出店の必要情報

  • Amazonアカウント
    ※購入用アカウントと同じでも別でも良い。
  • 利用者(事業体)の正式名称
    ※個人の場合は氏名、法人の場合は法人登記名と代表者の氏名
  • 住所
  • 電話番号
    ※登録時の認証用。PIN番号を受け取る。
  • メールアドレス
    ※自社ショッピングサイト、他のECサイトのURL(任意)
  • クレジットカード情報
  • 銀行口座情報

Yahoo! ショッピングの出店申込から審査の流れ

  • Yahoo! JAPAN ID
  • Yahoo! JAPANへの支払いのためのクレジットカード情報
    ※個人名義のクレジットカードも登録可能。登録後に変更可能。
  • 代表者情報(連絡先、生年月日など)
  • 申込名義と一致した銀行口座情報
    ―法人:企業名をすべて含む銀行口座。
    ※代表者名義のみの銀行口座は、申込の代表者と名義がすべて一致する銀行口座。
    ―個人事業主:申込の代表者を含む銀行口座。
    (個人事業主のみ)

各モールの集客オプション

Amazon、楽天市場でモール内広告のメニューを展開

楽天市場

https://adsales.rakuten.co.jp/products/detail/

楽天の持つ会員データを活用し、非常に幅広い広告メニューを揃えています。

楽天会員の情報を元に、楽天市場の外の広告面に配信することも可能です。

Amazonスポンサー広告

https://sell.amazon.co.jp/grow/advertising

検索結果への配信や、競合商品ページへの配信など、マーケットプレイス内でのカート獲得のために活用しやすいプロダクトを揃えています。

Yahoo!ショッピングもモール内の広告メニューを用意しており、検索された商品カテゴリに応じる等の広告の配信が可能です。

楽天・Yahoo!ショッピングはリピーター向け施策が可能

楽天市場ではAmazonと異なり、過去購入者へのメールマガジンの送付が可能なため、独自のCRM施策も実施できます。

取り組みやすいAmazon・Yahoo!/ハードルが高いが売上アップを狙うなら出店したい楽天市場

これまで紹介した通り、Amazon・Yahoo!ショッピングが出店準備・手数料体系の面で「始めやすさ」という強みを持つ一方で、楽天市場では「目指せる売上の大きさ」という強みを持つことがわかりました。

すでにShopifyなどの自社ECを運営しているマーチャントであれば、アップサイドを目指して楽天市場に出店することも良いでしょう。

一方で、これからECを始める方で、商品の反応がまだわからないケースであれば、まずはAmazonから始めるという方が初期のリスクから見て良いかもしれません。

複数ECを運営する前提で受注処理~物流業務を自動化する方法も知っておこう

EC運営で売上をアップしていくためには、将来的にAmazonも楽天市場も、Yahoo!ショッピングにも出店してECを運営していくことに備える必要があります。

複数店舗を運営する場合には、ECから注文情報を取得し、出荷を行う業務が煩雑になってきてしまいます。

ある程度出荷数が増えてきたら「物流代行」を使った倉庫業務の外注化と、「自動出荷ツール」を使った受注業務の自動化が必要になります。

当ブログを運営しているシッピーノは、そんな「自動出荷ツール」を提供しており、利用者に「物流代行」の紹介も行っています。

EC運営の物流業務で困ったら、ぜひご相談ください!