EC運営において、モール出店は簡単といいますが、実際にどの程度の時間と手間がかかるものなのでしょうか。いずれのモールでも出店時には審査がありますが、その審査の程度もモールによって変わってきます。

本記事では、Amazon.co.jp、Yahoo! ショッピング、楽天市場それぞれの、申込や審査に必要な情報や条件をまとめました。

本記事は、ホワイトペーパーもございますので、ダウンロードもすることができます。

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【概要】アマゾン、楽天、ヤフー出店前に注意すべき点

審査に必要な書類や審査の厳しさにはモールによって多少違いがありますが、基本的には、次のような点が審査の対象となります。モールごとの詳細は後述しますので、合わせて参考にしてください。

運営事業者について

アマゾンやヤフーは副業、個人でも出店が可能ですが、楽天は副業、個人での出店は難しくなっています。個人事業主の出店は可能ですが、満たすべき条件があります。

取扱商材について

当然ながら、法律に抵触するものや権利侵害にあたるもの、危険物、公序良俗に反するものなどは、いずれのモールでも禁止商材とされています。詳細は出店案内のページや資料に記載されています。特に、自社開発でない仕入商材や輸入商材は、原材料や成分の一部が引っかかるということも稀にあるので、必ず事前にチェックしましょう。

また、医薬品や酒類、中古品などは、法律的に販売に許可が必要な他、モールごとに独自に許可が求められる商材もあります。

売上が立つ見込みがあるか

他のEC店舗や実店舗がある場合は、問題でしょう。新規出店の場合、取扱商品の在庫があるか、まだ在庫はなくとも取扱商品が確かかという点などが確認されるようです。

また、EC運営には何らかの決済サービスを利用することになりますが、その際に決済サービスを提供する会社の審査も入ります。

Amazonの出店審査を通るために、出店前に注意すべき点

アマゾンへの出店には、「小口出品サービス」と「大口出品サービス」の2つの出店形態があります。

小口出品は、小規模でも出品しやすく、副業でECを始める方にはおすすめです。ただし、出品できる商品が限定されており、時計、アパレル・シューズ・バッグ、ジュエ リー、ペット用品、ドラッグストア、コスメ、食品&飲料カテゴリーの商品は出品できません。

法人や個人事業主でEC事業を行うのであれば、大口出品サービスの方が適しているでしょう。ここでは大口出品サービスを前提として解説します。

Amazonの出店申込から審査の流れ

アマゾンへの出店申込はウェブ上で行います。必要な情報は次の通り。

  • Amazonアカウント
    ※購入用アカウントと同じでも別でも良い。
  • 利用者(事業体)の正式名称
    ※個人の場合は氏名、法人の場合は法人登記名と代表者の氏名
  • 住所
  • 電話番号
    ※登録時の認証用。PIN番号を受け取る。
  • メールアドレス
    ※自社ショッピングサイト、他のECサイトのURL(任意)
  • クレジットカード情報
  • 銀行口座情報

 

その他、本人確認書類をウェブ上にアップロードし、書類記載の氏名・住所と出品者アカウント登録情報が一致しているかという点も確認されます。必要情報と書類を記入、アップロードして、審査にかかる時間は最長でも3日程度です。

審査が通ったら、商品情報を登録します。アマゾンでは規定のフォームに商品情報を入力すれば販売ページが作成されるため、ページ作成に手間はかかりません。

注意が必要なのが、商品登録には原則として、製品コードと呼ばれるJAN、UPCまたはEANが必要な点です。ただし、他社が取り扱っていないオリジナル商品の場合、Amazonブランド登録プログラムを利用することでJANなし商品の出品も可能となります。

Amazonで注意すべき取扱商材

アマゾンで取扱が禁止されている商品は、Amazon出品サービス「禁止商品」に記載されています。また、以下のカテゴリーでは、アマゾン出品の許可申請を行う必要があります。

  • 時計
  • 服&ファッション小物
  • シューズ&バッグ
  • ジュエリー
  • ヘルス&ビューティー
  • コスメ
  • 食品&飲料
  • ペット用品
  • ベビー&マタニティ(ERGObabyブランド一部の並行輸入品)

その他、Amazon出店で注意すべき点

アマゾンでは、複数の出品アカウントを運用することは違反になります。また、出品者名に「Amazon」や「アマゾン」の名前をつけることが禁止されています。他のモールであるような「Amazon店」「アマゾン店」といった使い方もできません。

その他、商品について、メーカーが提供する保証がある場合は、保証期間その他の条件において、メーカーの正規販売店と同等のメーカー保証を提供する必要があります。また、個人(個人事業主を除く)から仕入れた商品や、Amazon.co.jp上(Amazonマーケットプレイスを含む)で仕入れた商品は、新品として販売することができません。

Yahoo! ショッピングの出店審査を通るために、出店前に注意すべき点

ヤフーへの出店には「ライト出店」と「プロフェッショナル出店」の2つの出店方法があります。ライト出店とプロフェッショナル出店、両方で出店をすることも可能ですが、相互の引き継ぎはできません。

ライト出店は、個人事業主・法人を対象とした、スマートフォンからでも出店可能なほどシンプルな出店方法です。個人が出店する場合は、「個人出店」という別の方法になります。

※なお、ライト出店は2019年6月より閉店となり、現在はプロフェッショナル出店のみとなっています。

プロフェッショナル出店は、商品情報を一括して登録、管理でき、細かなページ設定を行うことのできる、一般的なECモールの出店方法です。目安として、月商100万円以上を目標とする場合は、プロフェッショナル出店が推奨されています。レンタル・サービス商材の取扱は、プロフェッショナル出店のみで可能です。

ここでは、プロフェッショナル出店を前提として、ヤフーへの出店について解説していきます。

Yahoo! ショッピングの出店申込から審査の流れ

ヤフー出店時には、次の情報が必要になります。

  • Yahoo! JAPAN ID
  • Yahoo! JAPANへの支払いのためのクレジットカード情報
    ※個人名義のクレジットカードも登録可能。登録後に変更可能。
  • 代表者情報(連絡先、生年月日など)
  • 申込名義と一致した銀行口座情報
    ―法人:企業名をすべて含む銀行口座。
    ※代表者名義のみの銀行口座は、申込の代表者と名義がすべて一致する銀行口座。
    ―個人事業主:申込の代表者を含む銀行口座。
    (個人事業主のみ)

 

(個人事業主のみ)

  • 開業届写し
  • 住民税の納税証明書写し※直近2年以内のもの

これらの情報を、ウェブ上のフォームに入力し、申込を行うと、Yahoo! JAPANにおいて審査が行われます。個人事業主の場合は、必要な写しを提出してからの審査開始となります。

審査にかかる時間は、約2~10営業日です。

審査基準は公開されていませんが、上記の情報を基に、経営状況の判断、決済サービス加盟店の審査、受取口座の有効性確認、取扱商品の確認などが行われています。また、個人事業主は、申込時点で満20歳以上である必要があります。

申込書記載の不備などで申込日より3ヶ月以内に契約が成立しなかった場合、申込が取り消しとなるので、不備のないよう注意しましょう。審査結OKとなったら、開業準備を行い、開業前に再度、開店のための審査が行われます。開店審査にかかる時間は、約2営業日です。

なお、契約成立日より 1ヶ月以内に開店審査の申請または初回出品審査がない場合は、契約終了となってしまうため、出店準備が滞りなく進められるよう、申込時にある程度準備しておくと良いでしょう。

Yahoo! ショッピングで注意すべき取扱商材

Yahoo! ショッピングで取扱が禁止されている商材は「Yahoo! ショッピングストア運用ガイドライン」に、そのすべてが詳しく掲載されています。

また、以下の商材は、取扱にあたり免許・許可証の入力が必要です。

  • 古物(中古品):「古物商許可書」情報の入力
  • アルコール酒類全般:「酒類販売業免許」情報の入力
  • 医薬品:「一般医療品販売業許可証」の情報の入力とコピーの提出
  • コンタクトレンズ:「高度管理医療機器等販売業許可証」の情報の入力とコピーの提出
  • 自動車パーツ(中古自動車を解体して販売する場合):「自動車解体業免許」コピーの提出
  • 象牙、タイマイ等の背甲や端材:「特定国際種事業の届出番号」の入力
  • ブランド品:販売する商材情報の入力(仕入先/卸売先、仕入れ方法、正規流通品であることの証明方法などを入力)

その他、Yahoo! ショッピング出店で注意すべき点

Yahoo! ショッピングでは、1つのIDで複数の出店が可能です。

また、通常、モールやプラットフォームでは禁止されることの多い、外部リンクも設定可能です(Yahoo! JAPANで不適切な外部リンクと判断した場合は、削除することがあります)。

楽天市場の出店審査を通るために、出店前に注意すべき点

楽天市場への出店には、「ライトプラン」「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の4つの出店方法があります

ライトプランは契約期間3ヶ月間のスポット出店プランで、メガショッププランはかなり規模の大きい事業者向けのプランです。一般的には、がんばれ!プランかスタンダードプランを選ぶことが多いでしょう。

がんばれ!プランとスタンダードプランどちらを選ぶかは、目標とする月商が132万円未満かそれ以上かが目安とされています。がんばれ!プラン月額出店料(固定費)が安いのでスタートアップ向け、スタンダードプランはランニングコストが安いので一定以上の売上がある事業者に向いています。

楽天では個人、副業での出店に対応しておらず、少なくとも開業届を出している個人事業主であることが必要です。出店審査や注意点は、基本的にどのプランにも共通しますので、すべてのプランを前提として解説していきます。

楽天市場の出店の申込から審査の流れ

楽天に出店するには、「出店申込書」と「審査書類」をWEB上で記入し、最終的に原本を提出する必要があります。

出店申込時、出店用のログインIDとパスワードが発行されます。このアカウントでログインし、必要情報の入力および書類の提出を行います。

入力する情報は次の通り。法人は「登記簿謄本」、個人事業主は「住民票」と同じ情報の入力になります。

他のモールに比べて入力する情報が多く、また、電話番号は携帯不可となっています。

  • 事業形態(法人/個人事業主)
  • 会社名※個人事業主は屋号or事業主名
  • 本社所在地※個人事業主は住民票の「住所」欄
  • 代表電話番号※携帯不可
  • 代表FAX番号
  • 代表者名
  • 店舗運営責任者(所属部署)
  • 郵便物の送付先
  • 連絡先電話番号※携帯不可
  • 連絡先FAX番号
  • 連絡先メールアドレス
  • 取扱商材ジャンル
  • 決済情報

 

上記の情報と合わせて、以下の申込書類の提出が必要です。商材の写真が必要な点や、印鑑証明書が求められる点など、やはり厳しめと言えるでしょう。

個人事業主は出店できるとはいえ、出店できる事業者の範囲はある程度限られてくるかと思います。

  • 商材別誓約書、その他商材によって必要な申請書
  • 取扱予定商材の販売に要な営業許可・資格等の書類
  • 商材の写真
  • 印鑑証明書
    ※個人事業主は印鑑登録済の実印、法人は法務局登記済代表印。

その他、法人の場合、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が必要な場合あります。

(個人事業主の場合)

  • 住民票・印鑑証明書(共に契約開始日より3ヶ月以内に発行されたもの)
  • 実店舗の写真

申込から審査、必要な手続きが完了するのに、目安として2週間~1ヶ月がかかります。

審査が通ると、管理画面のRMSが利用できるようになり、利用開始となります。審査通過後に、重要事項の確認および所定の書類に捺印後、WEB上でアップロードする必要があります。また店舗ページ作成後は、開店前審査があります。

店舗作成~開店前審査は、取扱商材や店舗作成にどこまで手をかけるかにもよりますが、目安として2週間~1ヶ月がかかります。申込後、RMSの利用が開始される利用開始日から料金が発生するため、店舗オープンまでに時間がかかり過ぎないよう、あらかじめ必要なものは準備しておくようにしましょう。

楽天市場で注意すべき取扱商材

取扱禁止商材については、「出店審査や取扱商材に関する注意事項」に詳細が記載されています。また、次の商品については、楽天所定の書類を提出し、事前の審査が必要になる場合があります。

  • 楽天が指定するブランドメーカー品
  • 産地・メーカーなどから購入者へ直送される商品
  • 医薬品、医薬部外品、医療機器(コンタクトレンズを含む)
  • 化粧品
  • 健康食品・健康器具
  • 家電・パソコン
  • PCソフトウェア
  • 携帯電話等の携帯通信端末
  • おせち料理
  • 金券類
  • 販売に際して免許等を必要とする商品(食品、酒類、中古品等)

その他、楽天市場出店で注意すべき点

楽天は、外部リンクを厳しく禁止しています。また、店舗内およびメールにおける「メール、電話、FAXでも注文を受け付ける」旨の記載も禁止です。

特に、外部リンクはうっかり記載されてしまうこともあるので、注意しましょう。該当の記載があった場合、楽天から削除の要請があります。

また、楽天は、医薬品医療機器等法(旧薬事法)の広告規制についても、チェックが厳しい印象です。薬機法および景品表示法などに抵触しないよう、ページ内の文言には十分気を付けましょう。

アマゾン、楽天、ヤフー、一番出店しやすいのはどこ?

以上のことから、Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo! ショッピングの中でどこが一番出店しやすいかを考えると、やはりアマゾンが一番気軽です。ヤフーも、出店の流れがシンプルで、出店者の増加を進めているのが分かります。楽天はやはり、必要な情報と審査など、ハードルが高くなっています。

また、いずれのモールも、出品するよりも、出品した後の配送やカスタマーサポートなどの品質維持の方が、手間がかかります。これらのユーザーからの評価が低いと、モールから改善を要求されることにもなります。このあたりのチェックが厳しいのがアマゾンで、楽天もここ最近は特に品質の向上を重視し、チェックが厳しくなっています。

すでに何度かおすすめしていますが、アマゾンではFBA(フルフィルメント by Amazon)、アマゾン以外のECサイトではFBAマルチチャネルサービスを利用することで、在庫を集約でき、在庫ロスの低減、作業効率のアップを図れるのでおすすめです。

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